愛宕の森と緑を守る会
藤。マメ科フジ属。別名ノダフジ。日本原産のつる性落葉木本。つるはS巻き(逆ネジ)。ヤマフジ(山藤、別名ノフジ)に似るが、つるの巻き方が逆(ヤマフジはZ巻き)なので、その点に注目すれば容易に区別出来る。花の咲くパターンも異なる(フジは房の根元から順次咲くが、ヤマフジはまとまって咲く)。写真では花の付き方が一見ヤマフジのようにも見えるが、咲き終わりに近いため。
蓬莱竹。別名チンチク(沈竹)。東南アジアなどの熱帯原産。
地下茎を伸ばさず、密生する。密生するのは、熱帯性の竹の特徴。火縄銃の火縄の原料として日本に導入されたとのこと。
イヌビワと比べ、葉が細長い。
牡丹臭木。シソ科クサギ属の落葉低木(亜熱帯では常緑)。別名、ヒマラヤクサギ、ベニバナクサギ。かつてはクマツヅラ科に分類されていた。花期は7~8(~11)月。中国南部原産の栽培種だが、暖地で野生化。花が半球状に集まり、また、枝葉を切ると強い異臭がするのでこの名が。
真竹。イネ科マダケ属。愛宕神社の東側、境内の直ぐ下、に拡がっている。 マダケとモウソウチクの識別は節のところの膨らみ(環)の数の違い。マダケは2本、モウソウチクは根元から枝が出る節までの間では環が1本。
万両。ヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑低木。別名、タチバナ、コウジ。7月頃に小枝の先に5枚に裂けた白い花弁と黄色い雄しべを持つ花が咲く。冬につける光沢のある赤い果実と緑の葉の組み合わせが好まれて庭木に用いられ、正月の縁起木にも。
孟宗竹。別名、ワセダケ、コウナンチク(江南竹)。中国三国時代の呉の人、孟宗が母の為に冬の竹林に入って懇願したところ、筍が生えて母に食べさせることができたという故事から、この名が付いた。
マダケとモウソウチクの識別は節のところの膨らみ(環)の数の違い。モウソウチクは根元から枝が出る節までの間では環が1つ、マダケは2つ。 筍は3〜5月と、竹の中で早いので、市場に出回る筍の殆どがモウソウチク。
黐の木。モチノキ科モチノキ属。鳥もちの原料になり、これが名前の由来。雌雄異株の常緑高木で、株全体ごと性転換をするという珍しい樹。暖地の海辺の山地に分布する。
花期は4月頃。花は束になって咲く。花弁は4枚で、おしべも4本。
秋になると径1cmほどの球形の種子がなり、熟すと綺麗な赤色になる。果実の中には種子が4つ入っている。未受精の果実はあおいままに。
矢竹。矢の材料となることから付いた名前。名前は「竹」だが、分類上は「笹」(=成長後も皮が桿を包んでいる)に属している。別名ヘラダケ、シノベ、ヤジノ、シノメ。本州以西原産で、四国、九州にも分布する。枝は節から各1本づつだけ出て分枝するのが特徴。全長2.5~4.5m。節間が長く、節の膨らみが少ないため矢に適しているが、筆軸、釣り竿などにも用いられる。 愛宕神社の第二駐車場の脇や、手水舎から石段を上がった先にある鳥居の脇付近などに生えている。
枝の先には通常3枚の葉が出ている。
藪柑子。サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木。別名、十両。高さは10~30cmで、冬に赤い果実をつける。全国に分布し、木陰で普通に見られる。実が美しいこともあり、園芸種としても、マンリョウ(万両)、センリョウ(千両)、カラタチバナ(百両)と共に縁起物として取り扱われている。
藪椿。愛宕山に広く分布。晩冬から早春にかけて赤い花があちこちで見られる。照葉樹林の代表的な樹。
種子からツバキ油を採取する。燈火、薬、化粧、食用に広く用いられてきた。甘味処の「びんつけ屋」は昔、日本髪の整髪に用いる鬢付(ビンツケ)油を販売する店だった。当時の愛宕山にはヤブツバキが沢山生えていた。
ニッケイに似るが、ヤブニッケイは葉軸をかじると不味いので、容易に区別できる。
ハゼノキに似るが、葉軸にたくさんの毛が生えている点が異なる。ハゼノキは無毛。
山吹。
八重山吹。ヤマブキの古い園芸品種。太田道灌の逸話で有名な「七重八重花は咲けども山吹の実の(蓑)一つだになきぞ悲しき」(兼明親王、後拾遺和歌集、1086年)にあるように、八重咲きのヤマブキには実がならない。
楪、または交譲木、譲葉。雌雄異株。葉柄が赤いのが特徴(赤くない樹もある)。初夏になって若い葉が開いた後に、譲るように古い葉が落ちるので、この名に。正月の飾り物として用いられる。黒い実や葉にも毒があり、家畜が誤食して死ぬこともある。
薇、銭巻。ゼンマイ科ゼンマイ属。日本全国から中国、ヒマラヤまで分布し、雑木林内などの陽当たりの良いところに生育する。渦巻き状に立ち上がる新芽は綿毛に包まれているが、その後、毛は消失する。葉は胞子葉(男ゼンマイ)と栄養葉(女ゼンマイ)と2種類あり、山菜採りでは5月頃に栄養葉の新芽を根元から採り、軸を茹でてアク抜きし、和え物やお浸し、佃煮、煮物等にして食べる。根茎は利尿や補血の生薬として用いられる。綿毛を集めて紡ぎ、ぜんまい綿として用いられた。画像は男ゼンマイ。
薇、銭巻。ゼンマイ科ゼンマイ属。日本全国から中国、ヒマラヤまで分布し、雑木林内などの陽当たりの良いところに生育する。渦巻き状に立ち上がる新芽は綿毛に包まれているが、その後、毛は消失する。葉は胞子葉(男ゼンマイ)と栄養葉(女ゼンマイ)と2種類あり、山菜採りでは5月頃に栄養葉の新芽を根元から採り、軸を茹でてアク抜きし、和え物やお浸し、佃煮、煮物等にして食べる。根茎は利尿や補血の生薬として用いられる。綿毛を集めて紡ぎ、ぜんまい綿として用いられた。画像は女ゼンマイ。
蕨。コバノイシカグマ科ワラビ属の多年生シダ植物。陽当たりの良い場所に生える。牛などの家畜が摂取するとワラビ中毒を起こし、重症になると死亡することもある。ワラビの地下茎から良質のデンプンが採れることは縄文時代から知られている。
葉が開く前の若い芽は代表的な山菜だが、食べるにはアク抜きが不可欠。