福岡市西区にある愛宕山は、室見川左岸から西北西に位置する小戸公園までに分布する愛宕山丘陵の主要部にあたり、標高3m程度の堆積層・埋立地に囲まれた標高68ｍの「小山」です。愛宕山全体は古第三紀の純海成層の、おもに塊状中-粗粒砂岩からなる姪浜層で形成され、ところどころで貝類などの化石を見つけることが出来ます。この姪浜層の下には、地表には露出していませんが福岡炭田地域の一部をなす愛宕層が分布しています。大正期から60年代初期にかけて、この愛宕層の石炭を採掘する早良炭鉱（姪浜炭鉱）が栄え、愛宕山の下には坑道が縦横に走っていました。