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愛宕の森と緑を守る会

蛇岩(波垂れ石)

━ 蛇岩は海蝕洞ではありません ━

 愛宕神社の裏参道、観音密寺の前を通る桜坂のふもとの鳥居の脇に、波による浸食作用でできたと言われている砂岩の窪みがあり、そこがかつては海の波に洗われていた証拠だと説明されています。しかし、近年の研究では、愛宕山は一度も「島」になったことはなく、この場所は干潟程度になったことはあったかもしれないとしても、ずっと陸地であったと判明しています。波に洗われなくとも、塩分の作用などによる「雲形侵食」によって形成されたのではということです。地学用語では「タフォニ」と言われている風化作用で、海蝕とは直接には関係のない現象です。

 この岩の窪みはその見た目から蛇岩と名付けられていますが、陸地測量部(国土地理院の前身)の地図では「蛇石」と書かれ、古くは地元では「波垂れ石」と言われていました。このような地形は愛宕山の山麓の他の場所にも存在していたとも考えられますが、石材としての「姪浜石」の採掘によって、今ではこの場所にしか残されていません。石材として用いられている石の中には、たまに侵蝕痕が残っているものがあります。

 この蛇岩には愛宕版ロミオとジュリエットとも言える悲恋伝説が伝えられています。

 

                   (画像をクリックすれば拡大表示されます)

©愛宕の森と緑を守る会

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