愛宕の森と緑を守る会
愛宕山の植物 - 樹木1
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樹木・その他のページです(草花は季節別にページ1〜3に)。花や実がついている樹木の画像は季節別にも表示してあります。左側に種名をアイウエオ順にリストしてあります。クリックすれば、その画像を表示した場所に移動できます。



赤芽槲、あるいは赤芽柏。トウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木。雌雄異株。空き地などにまず生える、典型的なパイオニア植物。愛宕山には広く分布している。


新芽は鮮紅色で、名前の由来が良く判ります。

良く見ると、葉の基部に、左右一対の丸い出っ張りがある。これは蜜腺体と言い、蜜を出す。一説にはアリを誘引し、他の害虫を排除させる働きをするという。



実は熟すと3つに裂け、3つの黒い種子が現れる。

馬酔木。ツツジ科アセビ属の常緑低木。別名、あしび、あせぼ。有毒で、葉を煎じて殺虫剤に用いる。馬が葉を食べると、酔ったようになるということで、この名が付いた。通常、草食哺乳類は食べるのを避ける。

銀杏、公孫樹、鴨脚樹。イチョウ科イチョウ属で中国原産の裸子植物。葉は幅があるが針葉樹。イチョウ属は古生代末期を起源に中生代に広く繁栄し、その中の1種、イチョウだけが生き残った生きた化石で、絶滅危惧IB類に指定されている。 愛宕山にはイチョウは数少ない。これは音次郎稲荷神社境内の樹齢250年を超える雄株。保存樹。

屋根を貫いているの で、たまに屋根を広げているとのこと。 この樹を抱くと「"気"を貰える」との言い伝えがある、隠れたパワースポット?

観音密寺本堂の脇に生えている雄株。1987年(昭和62年)に本堂が火災で消失したが、イチョウは生き残り、その際の焼け跡が残っている。

イチョウの巨木に垂れ下がっている乳根(ちちね)で、長らく気根と考えられてきたが、根にも枝にも変化することがあり、古代の植物の特性であった担根体の名残ではないかとの説が唱えられている。しばしば安産・子育ての信仰対象に。写真は観音密寺の雄株。

鷲尾愛宕神社の門の脇に生える雌株の写真。愛宕山にはイチョウの樹は4本しか生えていない。残りの1本は愛宕神社の境内に。

実は熟すと黄色に。異臭があるが、中の種はギンナンとして食される。










榎。ニレ科エノキ属の落葉高木。建築用材、家具材などに用いられる。一里塚に植えられた木。 画像は愛宕神社の直ぐ下の道路脇にある保存樹。

エノキはゴマダラチョウ幼虫の食樹。幼虫は根元の枯葉の下で冬を過ごし、春になると幹を登って、若葉を食する。その他にも、食樹とする虫が多い。

蘡薁。クロウメモドキ目ブドウ科ブドウ属。学名Vitis ficifolia var. lobata。エビカヅラ(古名)。雌雄異株。画像は花が咲き終わった雌株。

これは開花直前の画像。夏に開花するが、5枚の花弁は開花後直ぐに落ちてしまう。葉の裏には毛が生え、乾かしてモグサの代用となる。

観音密寺境内の崖に生えている雌株。実は10月半ばには黒く熟し、食べることが出来る(ノブドウは似ているが食べられない)。しかし味わう前に、直ぐに鳥の餌食に。

黄梅。モクセイ科ソケイ属の落葉低木。中国原産で江戸時代に日本へ。中国名が「迎春花」で、早春に黄色の花を咲かせる。枝が角ばっているのが特徴。名前は「梅」だが花弁の形や雄しべの数も異なり、香りが無いなど、ウメとは似ていない。英名は「ウインタージャスミン」。よく似たウンナンオウバイは常緑低木で花冠が二重。よひらの脇で見られる。

大冬苺。バラ科キイチゴ属の常緑小低木で地表を匍う。9~10月に白い花が咲く。フユイチゴに似るが、葉柄に毛が密集していることで、区別できる。

晩秋になるとオオフユイチゴの赤い実が目立つ。熟した実は美味しい。
モクレン科オガタマノキ属の常緑高木。トキワコブシとも言い、樹高は25mに達します。「小賀玉の木」あるいは「招霊木」とも表記され、モクレン科では唯一の常緑樹で、ミカドアゲハ幼虫の食樹。春の初めに基部がえんじ色で芳香のある白い花をつけます。日本原産で関東中南部以西に分布。八重山以南、台湾にはタイワンオガタマが分布します。園芸店にある栽培種の多くは別種で、中国原産のカラタネオガタマ。
神事に一般にはサカキの枝が用いられていますが、じつは、オガタマノキの枝を用いるのが本来であって、サカキはその代用。オガタマノキの入手が難しかったからではないかと思われます。
愛宕神社入口から階段を登った正面(階段の途中)に生えてます。
ミカドアゲハの画像は「蝶の図鑑」(www.j-nature.jp/butterfly/)より。
