愛宕の森と緑を守る会
愛宕の森と緑を守る会
ホットニュース 2
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愛宕サクラプロジェクトがスタート! 育苗会を開催 ( 2019.07.16 )
サクラシンポジウム
講師の猪上氏
標本の解説
サクラの育種の取り込みに先立って、6月8日に開催された「愛宕サクラシンポジウム」。日本人にとってのサクラの歴史、および、ツクシヤマザクラ種についての認識を深めることを目的とした企画です。
シンポジストの一人は、元福岡県森林林業技術センター専門研究員の猪上信義氏です。ツクシヤマザクラについての詳しい解説をおこなって頂きました。もう一名のシンポジストの堤啓次郎氏にはサクラをめぐる歴史の話をお願いしました。
ツクシヤマザクラの標本を見ながら、その特徴やヤマザクラとの区別法などの解説を聴きます。
愛宕山には、1918年(大正7年)、360本の「吉野桜」(染井吉野)が寄贈されたと記された石碑が残っています。当時から、愛宕山は市内の桜の名所のひとつとして、開花時期には多くの人が訪れていました。今日も桜の名所とされてはいますが、サクラの樹は桜坂(観音密寺前の参道)や愛宕山観光道路(北側の自動車道)を中心に、全山で160本程度が残っているに過ぎません。それも、常緑高木樹の成長によって日照が妨げられ、多くが枯死寸前の厳しい状態にあります。また、愛宕山にはヤマザクラの亜種で、この地域固有のツクシヤマザクラという在来種も辛うじて生き残っていますが、どれも枯れつつある状況にあります。
このような状況の下、愛宕の森と緑を守る会は、市民の手によって愛宕山のサクラを増やし復活させること、それも固有種を用いて愛宕山を「ツクシヤマザクラの里」となることを目指す「愛宕サクラプロジェクト」を立ち上げることにしました。その第一弾として、先ずはサクラのこと、ツクシヤマザクラのことを良く知り、学ぶことを目的として、6月8日、「愛宕サクラシンポジウム」を開催しました(左の画像)。
また、7月7日には、ツクシヤマザクラの苗木を育てるための挿し木づくりに取り組みました(下の画像)。挿し木作業の指導には、樹木医でもある、福岡造園の甲斐洋一氏があたってくれ、そのノウハウを詳しく教えて貰いました。
苗木を植樹できる大きさまでの苗木に育てるには、2年半から3年半かかります。この日の取り組みでは200本を超える挿し木をして、それを参加者が手分けをして持ち帰り、気の長い育苗作業に取り組むことになります。しかし、挿し木が枯れること無く無事に発根する割合は、挿し木の専門業者では8〜9割、植木屋さんだと良くて5割ほど、経験の無い素人となると、せいぜい1〜2割で大成功だとのことです。でも、先ずはスタートということで、その第一歩となった取り組みでした。
ツクシヤマザクラの苗木はソメイヨシノなどとは異なり、市販されるような種ではありません。挿し木の元となる小枝は、自生しているツクシヤマザクラから伸びている、まだ木化していない1年目の枝を採取してきたものを用いました。しかし、ヤマザクラとその亜種とされるツクシヤマザクラとの区別は、その中間種もあるなど、専門家でも意外と難しいために、挿し木は採取した樹ごとに区別し、個々の挿し木がどこに生えていた樹から採ったものかが判るよう、きちんと管理することにしました。
(画像をクリックすると拡大し、説明文が表示されます)
愛宕の森の中を散策しました ( 2019.05.28 )
探索路MAP 集合前のひととき
探索会のスナップ
探索路の風景
愛宕の森と緑を守る会では今、愛宕の森を楽しめる企画「愛宕の森探索路」の開設に取り組んでいるところです。このたび、その企画の一環として、5月25日の土曜日に探索路予定コースでの探索会を開催しました。今回の取り組みでは、探索路の予定コースのうちの森の中を巡る部分(地図中のE~G)を皆で実際に歩いてみて、今後どういった探索路にしたら良いかをさぐるという狙いもありました。また、森の中を歩きながら出会う植物についての解説も聞ける企画でした。
当日は天気も良く、朝から記録的な気温でしたが、森の中に入ると暑さは何処かに消えてしまう清々しさでした。コースはまだ整備前で足場がかなり悪いところもあったのですが、街中にありながら深い緑に包まれ、肌で木々に触れることができたと、参加者に好評でした。
探索路の整備はこれから本格的に進める予定ですが、今回散策した森の中のコースの大部分は、かつては道として使われていた所で、場所によってはその名残である石段が半ば埋もれて残されています。整備にあたっては、そのような「遺構」の新たな「発掘」ができないか期待している所です。
(画像をクリックすると拡大し、
説明文が表示されます)
盗らないで下さい! 撮ってください ( 2019.05.05 )
心無い人に折られてしまいました。
残念なことですが、フデリンドウが折られて、捨てられていました。フデリンドウは可憐で綺麗な花をこの季節に咲かせますが、愛宕山ではこの数年で急速に減少し、絶滅寸前の危機的状態にあります。特に今年は昨年の3分の1の本数も確認出来ない状況でした。ところが、そのうちの何本かが盗り去られ、取るのに失敗したのか、1本が無残にもうち捨てられていました。このような心無い行為は絶対に許せる事ではありません。愛宕山の草花は、市民の皆が愛でるために咲いているもので、特定の人の私物でも、ましてや金儲けのために抜き去ってよいものではありません。このような行為が2度と起こらないことを願って已みません。
散策ガイドのパンフレットが完成しました ( 2019.04.05 )
パンフレット「愛宕山の散策ガイド」の表紙です。
愛宕の森と緑を守る会作成のパンフレット「愛宕山の散策ガイド」が完成しました。12ページの冊子で、散策マップ、季節の植物を主とした自然、愛宕山の歴史と文化、寺社の紹介などが記されています。
近々、区役所や公民館などの公共の場所で入手できるようにする予定です。愛宕山を散策する際の一助になると思います。
ツクシヤマザクラが今、満開です ( 2019.04.05 )
愛宕神社の南、ロープウェイ山上駅跡のある小山に登り、山上の広場に達した場所(クスノキの隣り)にあるサクラがツクシヤマザクラです。
明治通りに面した碇整形外科(男坂の西)の脇の坂を上がり、ライオンズマンション愛宕と宅地造成工事中との間の道を少し上がると見ることが出来ます。
花は白く、葉も同時に出ます。
ツクシヤマザクラ(筑紫山桜)が今、満開です。鑑賞されたい方は、お早めに。咲いている場所は画像の説明文中に記してありますので、画像をクリックしてください。
ツクシヤマザクラはこの地域に固有のサクラで、ヤマザクラの亜種と考えられています。花はソメイヨシノより白く、赤みがかった葉も同時に出ます。枝先が太めなことも特徴とされています。現在、愛宕山には10数本が確認されていますが、何れも常緑樹に囲まれて十分な日光を受けることが出来ず、樹勢が衰えて厳しい状況にあります。愛宕の森と緑を守る会では、このツクシヤマザクラの復活を目指し、愛宕山をツクシヤマザクラの里にするプロジェクトを準備しています。
(後記:その後の専門家の暫定的な同定では、上の画像の樹は「ヤマザクラ」ではないかとの事でした。)
愛宕山はもう春です ( 2019.02.27 )
春一番が吹いた後、めまぐるしく天気が変化するこの頃ですが、今年の愛宕山は例年より早く草木の芽吹き、開花が早いようです。愛宕山の北斜面、愛宕山観光道路の途中にあるカワヅザクラは既に満開となり、女坂の途中から遠望できる菜の花(シロガラシ)も、造成工事で昨年ほどの華やかさはなくなってしまいましたが、すでに黄色の絨毯となっています。ホトケノザも既に咲き始めています。林の中では、ヤブツバキの花やマンリョウの赤い実がまだまだ赤さを誇っていますが、既にアオサギが集まってきて樹上で独特の鳴き声を上げ、営巣の準備に入りつつあります。天気の良い日に愛宕山に足を延ばしてみませんか。
カワヅザクラが開花しました ( 2019.02.08 )
厳しい寒さがまだまだ続く日々ですが、愛宕山には春の足音が着実に近づいてきています。野草も芽吹きはじめ、あちこちで緑が広がりつつありますが、早春を一番に知らせるカワヅザクラが開花しました。満開になるにはまだちょっと日にちが掛かりそうですが、この「春の知らせ」を見に行ってみませんか。場所は、愛宕山の北斜面、愛宕山観光道路沿いです。
またまた貴重な緑が消滅してしまいました ( 2019.01.29 )
明治通りから眺めた樹木伐採領域(赤丸で囲った範囲)。数本の古木を含む、緑が深く繁った区域でした。戦前には左手前の建物(碇整形外科)の場所にロープウェイ発着駅があって、伐採区域の左部分を通り山上に向かってゴンドラが上下していました。
数本の大樹を含め、敷地内の廃屋の手前部分の樹木がすべて切り倒されてしまいました。廃屋取り壊し後に、背後の樹木も切り倒されるものと思われます。
角地にあった、この桜の古木は、福岡市の保存樹基準を十分に超える大きさで、毎年の春には見事な開花で皆を喜ばせていた樹でした。
伐採された敷地(青丸)は急傾斜地崩壊危険区域にあたるとして、赤色の範囲が土砂災害特別警戒区域、黄色の範囲が土砂災害警戒区域であると県知事が指定しています。建築にあたっては強い規制があります。
明治通りから愛宕山を眺めたとき、深い緑に覆われている山が一番近くに見えていた場所(左の画像の赤丸の区域)で、桜の古木を含む樹木が昨年の暮に皆伐され、消滅してしまいました。ここには以前から廃屋が朽ちて崩れかけたまま建っていましたが、昨年の秋に、敷地が売却されて新たな建築物が建てられるという話が伝わってきました。愛宕の森と緑を守る会では、この敷地に元々住まわれていた方が樹木を大切にしていたことを知っていたこともあり、また、この敷地が急傾斜地で、土砂災害特別警戒区域に指定されている"危険な"場所であることもあり、新たな建築にあたっては、急な切り土工事をすることのないよう、また、樹木の伐採を極力避けて、むしろ愛宕山の緑を出来るだけ活かした建築物とするよう申し入れ、話し合いの場も持ったのですが、結果として皆伐される事態となってしまいました。守る会では以前から、特別緑地保全地区に接しているこの土地を福岡市が買い取り、特別緑地保全地区に含めるように福岡市に働きかけていたのですが、色よい返事も無いまま今回のような事態に至り、愛宕山の森と緑の縮小がまた一段進行することとなってしまい、誠に残念でなりません。
アブラギクが今、満開 !! 見ごろです ( 2018.11.30 )
アブラギクは晩秋から冬にかけて黄色に咲く姿が(西日本の)どこでも見ることのできた、里山の代表的なキク科の植物ですが、今や街中で見かけることはありません。このアブラギクを見ることができる愛宕山でも、道路脇の草刈りなどの影響もあって、激減していました。愛宕の森と緑を守る会では、これを何とか復活させようと、育苗・移植などの取り組みをおこなってきました。
今、愛宕山の北斜面、愛宕山観光道路の登り口(住宅展示場の裏手)の最初のヘアピンカーブ付近で、満開のアブラギクを見ることができます。まだまだ小規模で、「鑑賞」という言葉を使うには程遠いのですが、見応えは十分です。この機会に、是非、見に行かれることを推奨します。花が咲いている斜面は夏の豪雨の際にその一部が崩落し、今はブルーシートで覆われていて見苦しいのですが、そこに植わっていたアブラギクが消失してしまったのは何とも残念なことです。やがては、この斜面が一面の黄色で覆われるようになることを期待しています。
アブラギクは、かつて油に浸けて傷薬として用いられていたために、その名が付けられていたのですが、島寒菊あるいは浜寒菊とも言われている植物です。牧野植物図鑑では、その分布が「島」や「浜」に限られていないことを理由に、古くから言われていた「アブラギク(油菊)」という和名を採用しています。
また樹木が伐採(90本皆伐)されてしまいました ( 2018.10.21 )
樹木伐採個所を愛宕神社入口前のびんつけ屋から眺めた画像。急傾斜地の樹木が皆伐されている。
樹木が皆伐された場所を崖の上から崖下に向かって撮影。
樹木皆伐個所から崖の上に向かって撮影。この2本の切り株は、保存樹木に指定しうる大きさの樹を切ったもの。
伐採された樹木が積み上げられている場所のうちの一個所の画像です。
土砂災害警戒特別区域(赤)および土砂災害警戒区域(黄)の範囲と樹木皆伐個所(矢印)
春になると一面に菜の花が咲き乱れる場所で、新たに石榴坂ファーム事業という名称の「工場」建設が行われようとしています。樹木が皆伐された場所の東隣りの斜面です。
事業予定地では「工場」建設のための整地工事が既に行われていました。
現在、この事業を巡って、地元住民と事業者との間で話し合いが行われています。
お伝えするのが大幅に遅れてしまいましたが、残念な出来事です。8月末に特別緑地保全のすぐ外側で、数本の大木を含む樹木90本が皆伐されてしまいました。樹木が伐採された場所は地図の赤矢印に示した急傾斜地です。伐採した理由は斜面の木が台風で下の住宅に倒れる可能性があったからというものですが、はたして「皆伐」する必要があったのか、大いに疑問が残ります。この場所はもともと土砂災害警戒特別区域(および土砂災害警戒区域)に指定されている危険個所です。樹木が危ないからそれを切るといった単なる対症療法的な対応ではなく、樹木の皆伐による保水力の低下や裸地になったための表層への影響など、総合的な視点からの防災処置を考えなければならないはずです。今後の安全面からの見直しと対応も必要と思われます。
また、特別緑地保全地区の直ぐ外側の貴重な樹木林であっただけに、伐採は防災上必要と思われる樹だけに留めるべきで、皆伐する必要性はどこにも認められません。
この樹木伐採とは別個のことですが、樹木が皆伐された場所の東側にあたる斜面で、新たに「石榴坂ファーム事業」という工場の建設が進められています(下の2枚の画像)。災害時のトイレの開発と水耕栽培を行う事業とのことです。その敷地は春になると菜の花が一面に咲き乱れていた場所です(地図の右の画像)。現状の地形を変更しないで工場の建設を行うとのことで(地形を変更する開発は自治体の審査・許可対象になります)、既に整地工事が行わています。現在、地元住民と事業者との話し合いがなされているとのことですが、守る会としては、愛宕山の緑と環境が守られるよう、今後対応していきたいと考えています。
竹林整備の効果絶大! 愛宕神社境内での花火見物 (2018.08.04)
愛宕神社境内は、ちょっと遠くからになりますが、大濠公園の花火を楽しめることができます。玉屋ぁ〜、鍵屋ぁ〜。
花火は2個所から打ち上げられているようです。
はびこっていた竹林を伐採した結果、今年、愛宕神社境内から花火を楽しめる範囲は倍増しました。あと数本の竹を伐採すれば、境内の端に1メートルほど残っている死角はなくなります。
愛宕神社境内は大濠公園花火大会の見物人であふれていました。その人数は300人をはるかに超えていました。
大山祇神社跡公園の展望台からも大濠公園の花火鑑賞ができます。
愛宕神社の上空に、今、大接近して明るく見えている火星が。少々ぶれてしまってはいますが、大山祇神社跡公園の展望台から写すことができました。
愛宕神社境内のすぐ下でマダケが伸び放題に広がり、境内からの市中心部への視界は遮られていました。
守る会は、竹林を伐採・整理することによって多様性のある里山森を復活させることを目指し、1〜3月に竹林整備作業に取り組みました。
愛宕神社境内は百道浜で開催される花火大会の絶好の観覧スポットですが、大濠公園で行われる花火大会を楽しめる場所でもあります。大濠公園からは少々距離があるために迫力は望めませんが、綺麗な打ち上げ花火は充分に楽しめます。そのため、今年8月1日に開催された花火大会には、300人をはるかに超える人が愛宕神社境内に押し寄せ、境内は人であふれていました。
しかし、この境内からの大濠公園方面への視界は、ここ何年間、はびこったマダケによって大部分が遮られ、「大濠公園花火大会」を楽しめる状態ではありませんでした。守る会は里山森の復活を目指して、竹林の伐採・整備に取り組むことを決め、先ずは1〜3月に、愛宕神社境内下に広がって視界を遮っているマダケの伐採を行いました。これによって、神社境内から大濠公園方面への視界は大幅に改善され、皆が花火大会を見物できる状況になりました。
この間の豪雨により、愛宕山で崖崩れが発生! (2018.07.09)
この間の豪雨により、愛宕山で崖崩れが発生! (2018.07.09)
土石の崩落は、愛宕山観光道路の最初のヘアピンカーブのところで発生した。幅は20数メートルほどに及んだが、崩落土砂・落石は防止ネットによって留められ、道路は無事だった。
崩落した部分は、斜面の表層部分だけであったが、結構な大きさの岩も同時に落下している。斜面の表面には落石防止・斜面保護のためのネットが張られていたが、強度不足で役には立たなかった。
崩落した土石は、右手の落石防止ネットで留められて、次(右側)の画像で示されている側溝を完全にふさいで積み上がっている。
土石の崩落がなかった個所(元の状態)は、道路側の土石崩落防止ネットと斜面の間に排水用の側溝が設置されている。
工事で成形された斜面の表面には土石落下防止用のネットが張られていたが、そのネットを固定していた金属製の杭ごと、ごっそりと斜面の土石が落下していた。表層の下面まで雨水がしみ込み、また、表層が水を含んで重くなった状態を支えるには不十分だったのであろう。
落石防止ネットで止められた崩落土砂・落石。高さは1.5mにもなるだろうか。ネットで留められて、道路への影響はなかった。
この間の集中豪雨で、愛宕山でも崖崩れが発生しました。愛宕山の北側斜面、愛宕山観光道路の最初のヘアピンカーブのところで、20数メートル程の幅で道路の上側にあたる急斜面が崩落しました。幸い、崩落土砂・落石は昨年に実施された崖崩れ防止工事によって作られていた防止ネットで留められ、道路への影響はありませんでした。愛宕山は、ほぼ全域が急傾斜地崩壊危険区域とされ、今回の崖崩れも土砂災害特別警戒区域に指定されていた個所でした。土石の崩落は工事によって樹木を皆伐して成形した斜面の表層が、その表面に張った崩落防止ネットごとごっそりと崩れたもので、大量の雨水で崩落に至った原因、メカニズムは単純では
この間の集中豪雨で、愛宕山でも崖崩れが発生しました。愛宕山の北側斜面、愛宕山観光道路の最初のヘアピンカーブのところで、20数メートル程の幅で道路の上側にあたる急斜面が崩落しました。幸い、崩落土砂・落石は昨年に実施された崖崩れ防止工事によって作られていた防止ネットで留められ、道路への影響はありませんでした。愛宕山は、ほぼ全域が急傾斜地崩壊危険区域とされ、今回の崖崩れも土砂災害特別警戒区域に指定されていた個所でした。土石の崩落は工事によって樹木を皆伐して成形した斜面の表層が、その表面に張った崩落防止ネットごとごっそりと崩れたもので、大量の雨水で崩落に至った原因、メカニズムは単純では
なさそうで、工事による影響も含め、その解明は専門家の調査を待つしかなさそうです。
なお、集中豪雨によって愛宕山全体がどうであったか、他にも何らかの影響があったかどうかについて調べたわけではありませんので、全貌については未確認です。
仔ダヌキがお目見え (2018.07.09)
ちょっと薄暗くなりかけの夕方、食事処「よひら」の近くに仔ダヌキがひょっこり姿を現しました。人が近づこうとしても、急いで逃げていくことはありません。普通は親と一緒のはずなのに、迷子にでもなったのでしょうか。痩せていて皮膚病(ダニによる疥癬)にかかり、ちょっと心配です。
愛宕山では時折見かけられているようですが、多くは真夜中。甘味処「岩井屋」の脇には良く現れるとのことです。地域ネコの餌も横取りするとか。
写真を写すことが出来ましたので、紹介します。
珍しいキノコが生えていました - アカダマキヌガサタケ (2018.06.24)
赤玉衣笠茸。スッポンタケ科 スッポンタケ属。梅雨時(あるいは秋)に竹林(まれに広葉樹林)に出現する。はじめ(幼菌)は鶏卵のような形で出現し、成熟すると先端が裂けて成長。托が伸びたところで網目レース状のスカート(菌網)が伸びて、その後、自己消化して胞子を含んだ粘液が笠を覆う。
伸長速度がきわめて速く、1分で1-4mmに達する。キノコは通常、風で胞子を分散させるが、このキノコは粘液の臭いでナメクジやシデムシ、ショウジョウバエ、陸棲貝類などの小動物をおびき寄せて胞子を広げる。
柄(茎)は中空で、スポンジ状になっている。弱くてほとんどのアカダマキヌガサタケが中程で折れ、柄の構造が良くわかる。
アカダマキヌガサタケの幼菌。近縁種に「キノコの女王」と言われるキヌガサタケがあるが、アカダマキヌガサタケは、卵形時の色が白色に対して赤褐色であること、粘液が悪臭ではなく果実の匂いにやや近い臭いであることなどでキヌガサタケと異なる。この他にウスキキヌガサタケ、マクキヌガサタケが近縁種。
竹林を伐採した場所で珍しいキノコを見つけました。白い網目レース状のスカートを履いたキノコで、アカダマキヌガサタケ(赤玉衣笠茸)という種です。スッポンタケ科スッポンタケ属。梅雨時(あるいは秋)に竹林(まれに広葉樹林)に出現するキノコです。はじめ(幼菌)は赤褐色の鶏卵のような形をしています。その後先端が裂けて成長した後、スカート(菌網)が伸びて優雅な姿に。成熟すると胞子を含んだ粘液を出して異臭を放ち、小バエ等をおびき寄せ、胞子を運ばせるという変わったキノコです。生えている場所に近づくと果実の匂いにも似た異臭が漂ってきます。
「キノコの女王」と言われているキヌガサタケの仲間ですが、「キヌガサタケ(竹荪)」は中華料理で4大食用キノコ「四珍」のトップにあげらている高級食材です。アカダマキヌガサタケ(红托竹荪)もそれに含まれています。
筑前琵琶が奏でる「神話の世界」にふれてみませんか (2018.06.19)
愛宕山の小さな神社、愛宕音次郎稲
荷神社の夏祭大祭が7月15日(日曜、
10:30-12:00)に開催されます。今年
は神事がとり行われた後に、神楽舞と
筑前琵琶の奉納が企画されています。
神楽舞は花柳流名取の花柳観恵美さんによる「三番叟」が舞われるとのことですが、今回新たに筑前琵琶の演奏「神話:須佐之男命(スサノオノミコト)」が嶺青流筑前琵琶保存会師範、琵琶浄瑠璃奏者の尾方蝶嘉(ちょうか)さんによって奏でられることになりました。この機会に音次郎稲荷の大祭に参加してみてはいかがでしょう。社殿の屋根を貫いている大銀杏は「幹を抱くと”気(樹)”を貰えるパワースポット」だとの言い伝えもあるとの事。これも試してみます?
筑前琵琶の歴史は1200年前の盲僧 琵琶にさかのぼるとのことで、西鉄平尾駅に近い成就院に筑前琵琶が 描かれた発祥地記念碑が建てられています。明治中期に再興された筑 前琵琶は昭和初期にかけて一世を風靡し、その後、今日に至っていま す。ちなみに、奏者の尾方さんは西南学院大学法学部出身で、13歳か ら筑前琵琶をはじめ、現在は福岡県で誕生した人形浄瑠璃座「筑前艶 恋座」の琵琶浄瑠璃奏者をつとめながら、全国で活躍されている方で す。下記サイトで演奏を聴くことができます。
なお、この日は、鷲尾愛宕神社で「ほおずき祭り」が催されます。
筑前艶恋座旗揚げ公演(筑前琵琶による人形浄瑠璃)「安達ケ原」
https://www.youtube.com/watch?v=cbGcyc9z1Co (前半、25:22、演奏は11:40〜)
https://www.youtube.com/watch?v=pjCZDlgWoAQ (後半、16:10)
ご本人のサイトは、以下の通り。
ブログ:https://ameblo.jp/sunsun-moon-star/
フェイスブック:https://ja-jp.facebook.com/cyouka.ogata
アオサギ・ダイサギが子育てを始めています (2018.06.05)
左側がアオサギ、右側がダイサギ。
巣の中でひたすらじっとして卵を温めているアオサギ。
この画像では確認が困難だと思いますが、親鳥が巣の中の左側に立っていて、巣の右側に雛鳥がかろうじて見え隠れしています。
今、愛宕山ではサギの子育てが始まり、仔サギ固有の喧しいほどの鳴き声が響き渡っています。でも、巣の中でひたすらじっとして卵を抱いている親鳥の姿もまだまだ多そうです。今年は木の葉がよく繁っていて、巣や親サギすら見るのが困難です。仔サギの鳴き声は良く響いてはいますが、その姿をしっかりと捕らえ、写すのは絶望的です。もう少し、大きくなるのを待つしかないようです。
里山の草花は今が見頃・ダイサギも営巣中 (2018.04.12)
愛宕山では絶滅の危機にあり、ほんの一部でしか見ることが出来なくなったフデリンドウですが、今年もブルーの花が開き始め、可憐な姿を見せています。
フデリンドウの花を楽しみたいのであれば、天気の良い日の、出来れば午前中、遅くとも昼過ぎ頃までに訪れて下さい。日が陰ると花は閉じてしまいます。
別名ジゴクノカマノフタ。変わった名前ですが、小さな紫の花を咲かせています。愛宕神社のすぐ下の道路脇の擁壁などで見ることができます。
シロガラシと思われる菜の花の群生です。女坂から、向かいの斜面にいちめんに広がっているのが見えます。
愛宕山のあちらこちらに生えていますが、甘味処の岩井屋の脇から音次郎稲荷神社に向かう道の脇の群生が一番でしょうか。
タチツボスミレの特徴は、立ち上がった茎から花芽が出ていることです。
愛宕山では絶滅の危機にあり、ほんの一部でしか見ることが出来なくなったフデリンドウですが、今年もブルーの花が開き始め、可憐な姿を見せています。
フデリンドウの花を楽しみたいのであれば、天気の良い日の、出来れば午前中、遅くとも昼過ぎ頃までに訪れて下さい。日が陰ると花は閉じてしまいます。
紫華鬘。花期は過ぎつつありますが、愛宕山のあちこちで見られます。
別名ジゴクノカマノフタ。変わった名前ですが、小さな紫の花を咲かせています。愛宕神社のすぐ下の道路脇の擁壁などで見ることができます。
踊り子草。薄ピンクの花が咲き始めています。満開には、もうちょっと時間がかかりそうですが、広い駐車場のすぐ先に一番の群生地が広がっています。
オドリコソウの花をクローズアップしてみました。蘭に似たような花の構造をしていますが、傘を被った踊り子の姿に見えますか。
愛宕山のあちらこちらに生えていますが、甘味処の岩井屋の脇から音次郎稲荷神社に向かう道の脇の群生が一番でしょうか。
タチツボスミレの特徴は、立ち上がった茎から花芽が出ていることです。
愛宕山のあちこちで目立つ白い花はクサイチゴの花です。低木なのに草のように見えるので、この名が付いています。夏には甘い、真っ赤な実に変身します。
シロガラシと思われる菜の花の群生です。女坂から、向かいの斜面にいちめんに広がっているのが見えます。
暫く前はアオサギだけでしたが、今は目元が翡翠色の婚姻色に彩られた真っ白な姿のダイサギも見られます。以前と比べると数がぐっと減ってしまいましたが、愛宕神社と音次郎稲荷の間に生える大木の樹上でコロニーをつくっています。
今はつがいで巣作りの真っ最中。巣の材料となる小枝をせっせと集める姿が良く見られます。
お花見も一段落して愛宕山も車の渋滞は見られなくなりましたが、これからが春本番。里山の植物が花開くシーズンです。稀少になってしまったフデリンドウも可憐な花を広げています。里山の野草は派手ではありませんが、立ち止まって眺めればなかなかなものです。気候も散策には絶好です。今では街中では見られなくなった里山のあれこれの花々、是非、楽しみに行きませんか。婚姻色で彩られたダイサギもやってきて、鳴き声を響かせています。
3月21日に愛宕山の野草を食べる会を開催しました (2018.03.22)
小雨が降る中で、先ずは愛宕山での野草の採取。食べられる野草は手近な場所に結構生えています。
愛宕公民館の調理設備を借用して、皆で調理をしました。採ってきた野草はまず洗ってから、茹でて和え物にしたり、天ぷらにしました。
結構楽しいヨモギ団子作り。ヨモギの葉をスリコギですり潰して、白玉粉と練り合わせ、茹でた後に冷水に入れて出来上がり。
多くの野草は天ぷらにして、塩をちょっと付けて食するのが一番。それぞれの野草独特の食感、味覚を楽しめます。
さあ、出来上がりました。菜の花のおひたしや、和え物、様々な天ぷら、ヨモギ団子などテーブル一杯に揃いました。頂きま〜す。
今回採ってきた野草は記した通りですが、これら以外にも愛宕山で食べられる野草はまだまだあります。
3月21日、春分の日に野草を食べる会を開催しました。先ずは食べられる野草を愛宕山で採取です。本格的な野草摘みの季節よりちょっと早いのですが、摘めるものだけでも良いから実施しようと、計画しました。この日は残念ながら雨でしたので草むらに深入りできませんでしたが、結構多くの野草を摘むことができました。
参加者の多くは初めて挑戦する野草ばかりですが、愛宕公民館の調理設備を使って、料理法を教わりながら皆で調理しました。天ぷらの他、茹でたり、和え物に。ヨモギの葉を使って、ヨモギ団子も作りました。その後は、出来上がった野草料理を皆で美味しく頂きました。
はびこっている竹林の伐採・整備が進みました (2018.03.21)
伐採した竹は枝を打ち払った後に、積み上げて暫定的に保管します。
整備作業によって発掘された石段。かつてこの場所には愛宕神社に向かう道があって、境内に向かう急な上り坂には石段が敷かれていました。新たな発見です。
竹林を伐採・整備する前の状態。
竹林を伐採・整備した後の状態。左の画像とほぼ同一の方向。
竹林を伐採・整備する前の、愛宕神社境内からの眺望。福岡市中心部方向。
竹林を伐採・整備した後の、愛宕神社境内からの眺望。左の画像とほぼ同一の方向。現在は画像中央部にある竹も除去済み。
1月20日をスタートに、第2回目(2月17日)、第3回目(3月17日)と、守る会は3回の竹林伐採・整備作業にボランティアの協力を得て取り組みました。竹林はまだまだ広がっていますが、暖かくなってマダニが活動期に入ることもあり、今期の竹林伐採・整備作業はこれで一段落。愛宕山の多様な植生を回復するための取り組みの第一歩です。また、写真にもあるように、この取り組みの結果、伸びた竹林によって遮られていた甘味処のびんつけ屋からの眺め、愛宕神社境内からの眺望もかなり改善されました。
気温も上がり、愛宕山は散策のシーズンに (2018.03.15)
カワヅザクラはもう満開です。愛宕山観光道路を登る途中に咲いています。
ソメイヨシノはまだ蕾。かろうじてピンク色が見えます。今年は開花が早まるとのことですか、愛宕山の開花は「福岡の開花」よりやや遅れるようです。
カワヅザクラよりやや下にあるニワトコも咲き始めています。満開はもうちょっと先です。
早々と咲くのがムラサキケマンです。ムラサキケマンはかつて何処でも見られていましたが、数がだいぶ減ってしまいました。
ホトケノザも春になって早々と咲く花です。市内のあちこちでも良く見られます。
カラスノエンドウの小さなピンクの花が咲くのはは、これからが本番です。天ぷらにすると美味しい草です。
里山の崖でよく見られる花ですが、愛宕山ではだいぶ減ってしまいました。キランソウはまだ小さな蕾がかろうじて出てきている段階で、紫の花が見られるのはまだちょっと先になります。
オドリコソウの花がすでに一部でひっそりと咲いていますが、もう少しすると踊り子の姿をした可愛いピンクの花を見ることが出来ます。
愛宕山で絶滅の危機にあるフデリンドウですが、かろうじて残っている株にも小さな蕾が見られます。先端部がすでに青くなっている蕾も一部ですが認められます。
もう少しで満開となり、濃い黄色が一面に広がるでしょう。洋辛子の元となるシロガラシと思われます。女坂から良く見えます。
愛宕神社の階段脇に生えている霊木のオガタマノキは、春に良い香りを発する花を咲かせます。残念ながら高い所で咲くためにそれを楽しむことはできませんが、今は既に満開を過ぎて、花弁が舞っている状況です。花を見たい方は急いで駆けつけて下さい。ただし、双眼鏡を持参された方が良いと思います。
オガタマノキの花びらは根元が濃いピンクの、白い(あるいは薄いピンク)色をしています。愛宕神社の階段には今、オガタマノキの散った花びらが広がっています。
気温も上がり、急速に春めいてきました。愛宕山散策に絶好な季節のスタートです。ソメイヨシノはまだ硬い蕾ですが、カワヅザクラは既に満開になってます。里山の野草の花が見られるのはまだ早咲きの種だけですが、咲き乱れるのももう直ぐです。それらを楽しみに、お出かけしてみては如何ですか。愛宕神社境内からの眺めも素晴らしく、アオサギの鳴き声も響いている春の愛宕山に是非どうぞ。
アオサギの営巣がスタート ! (2018.02.04)
立春、まだまだ寒い時期ですが、愛宕山にはアオサギの鳴き声が響いています。場所はここ何年間かアオサギやダイサギが営巣し・子育てをしていた、音次郎稲荷神社と甘味処との間の参道の樹上。例年より多少早いのかとも思いますが、5〜6月の子育てに向かっての営巣がスタートです。まだアオサギだけですが、おいおいダイサギも集まってきて、2月下旬頃にはもっと多くのサギの鳴き声で賑わうことになるでしょう。
愛宕神社境内の南に広がる竹林の伐採整備に取り組みました
(2018.01.25)
第1回の竹林整備は愛宕神社境内のすぐ下の南側斜面で取り組むことにしました。
作業に先立って予備調査をおこないました。竹林はすべてマダケですが、枯れて倒れているものも多数あります。
竹林の中には大量のゴミが散乱していました。中には、腐ったベンチなどの大型ゴミもあります。
この日に集まったのは41名。作業開始に先立ち、作業内容についての打ち合わせ。まずは安全最優先の徹底が第一。
竹林伐採作業に先立って、まずは足下に散乱している缶やビンなどのゴミを回収する作業です。
参加者の多くは竹林伐採作業が初めての人ばかり。安全な作業方法、作業手順、ノコギリやハサミの使い方、集団作業での注意事項などについての講習を実施しました。講師はNPO法人グリーンシティ福岡の志賀さん。
グループに分かれ、初心者は平らな場所で、経験者は急斜面での伐採作業に取り掛かります。これだけの人数で作業すると、結構な量の伐採が進みますが、まだまだ大量の竹林が広がっています。
皆で竹林を取り払った後は、陽がいっぱい差し込む広場ができあがりました。今後、放っておけば直ぐに竹林に戻ってしまうでしょうが、多様な植生の林になるよう、しっかり管理していきたいと考えています。
愛宕神社の境内は市内や博多湾を広く見渡せる第一級の絶景ポイント。しかし放置された竹林に妨げられて見通しがきかない状態になっていました。
放置された竹林によって妨げられていた絶景が、伐採作業の結果、まだ一部ではありますが、見晴らしの良い状態に復元されました。
守る会は1月20日に、第一回目の竹林の伐採・整備に取り組み、41名が参加しました。森、林は長期にわたり手入れがされていないと竹林が広がり、植生の多様性が失われてしまいます。愛宕山でも何カ所かで竹林が目立ち、とりわけ愛宕神社の南麓にはマダケが広く侵食し、福岡市内で1、2を誇る眺望の神社境内からの視界、甘味処のびんつけ屋からの市内眺望をさえぎってしまっています。竹林は他の植生の成長を妨げるだけでなく、足下には大小のゴミが多数放置されている状態もあって、守る会は竹林伐採・整備に取り組むことにしました。竹は地下茎で広がって養分を蓄えているため、切っても切っても新たな芽を出し、排除することにはかなりの困難を伴います。今年度は、先ずは着手することによって、今後のすすめ方の方向を定めること、ならびに竹林伐採の手法・技術の獲得を目標としました。このため、今回はNPO法人グリーンシティ福岡の志賀さんに技術指導をお願いしました。
イノシシが目撃されました (2017.12.11)
11月16日のホットニュースで、ひょっとしたら愛宕山からイノシシがいなくなってしまったかもしれないと書きましたが、地元住民の方から目撃したとのお話が届きました。愛宕山のイノシシはまだ「健在」でした。
愛宕神社の火まつり(大柴燈護摩供・火渡り神事)開催 (2017.12.05)
「大紫柴燈護摩供・火渡り神事」のポスター。
しめ縄の結界で囲われた聖域の中で護摩供が執り行われ、護摩焚きの煙に載せて五穀を天に供えます。
護摩供では火の中に神を呼び込んで、あらゆる災いを断ち、願いが天に届くよう、皆で願いを書いた護摩木を投げ込みます。
愛宕神社の火まつり(「大紫柴燈護摩供・火渡り神事」)は毎年12月5日に執り行われます。英彦山から来た修験者が修験道の作法で護摩を焚き、その中に願い事を書いた護摩木を皆で放り込み、願い事の成就を祈りました。その後は火渡りの神事です。火勢が衰えた護摩壇をならして道を作り、その上を修験者を先頭に一般の参加者が裸足になって渡っていきます。この日は寒波が到来。風が強く、陽が当たったり、みぞれや雨が突然降ってきたりと荒れた火まつりでしたが、護摩壇の炎のおかげで、凍えることはありませんでした。(火まつりのページはこちら)
フデリンドウの新芽を確認しました (2017.11.26)
フデリンドウは厳しい冬をこの姿で耐え、春になって可憐な碧い花を咲かせる。
フデリンドウの特徴は、1本の茎から数本の花が咲くこと。群生で咲くと見事ですが、はたして、もっと多くの芽が出てきてくれると良いのですが・・・
愛宕山で絶滅の危機にあるフデリンドウ。残っていた群生地が消滅し、今年はその近くで奇跡的に50株を超える花が咲きました。しかし生息環境が厳しい場所であったため、晩秋に芽吹く新たなフデリンドウを見ることが出来るのか、心配でした。先日、新芽が出ているか調査したところ、わずか8株だけでしたが、確認することができました。これらの株はこの姿のまま厳しい冬を耐えて、来春に可憐な花を開くことになるでしょう。しかし、この先新たな株が芽吹くのか、株数が増えるのか、それとも今回確認できた、たった8株しか期待できないのか、依然として心配は尽きません。(フデリンドウのページはこちら)
イノシシが消えた? 代わりにアナグマが初デビュー? (2017.11.16)
右の画像と比べ、広く、深く荒らしている。時に特徴的な足跡が残されている。
イノシシの採食跡より、かなり小規模で、穴がひとつひとつ離れて掘られている。
この穴を掘った動物が何なのかは不明。足跡は確認できない。
最近、愛宕山近辺の住民の方々の話では、イノシシを見かけなくなったとのことです。ちょうど、真夜中に愛宕小学校の前のマリナ通りをイノシシが駆けていたとのニュースが流れていたことがありましたが、関係があるのかもしれません。以前にイノシシが餌漁りをしていた場所を見に行ったところ、イノシシが新たに漁った跡は見かけられません。その代わりに、明らかにイノシシではない、別の動物によるものと考えられる餌漁りの跡と思われる多数の痕跡がありました。イノシシによるものよりずっと小規模なものです。足跡も確認できません。住民の方々の話や、状況証拠からすると、イノシシはどこかに引っ越してしまったと考えても良さそうです。
その代わりという訳でもありませんが、最近、新たにアナグマの姿を見かけるようになったとのことです。ちなみに、タヌキとアナグマは生態も含め、姿形が似てはいますが、顔つきに違いがあるので、区別できます。実はアナグマはイタチ科、タヌキはイヌ科と、全く別の動物。タヌキは愛宕山に以前から生息していて、夜中に餌を目当てに人に寄ってくることがあるとのことです。
愛宕山の秋も深まり、シイの実拾いに出かけませんか (2017.10.25)
秋を代表するススキ、かつてはいちめんに広がる光景が当たり前に見られましたが、最近は外来種に押しやられてあちこちに点在するだけになってしまいました。
愛宕山の紅葉はまだまだこれからですが、気の早いハゼの木はすでに真っ赤な姿になっています。
マルバハギの花はそろそろ終わりに近づいているようですが、まだまだ見られます。
スイカズラの実はまだ緑色。赤くなるのはもう暫く先のようです。
あちこちの草むらの中、ところどころでミズヒキの花が見られます。
今はツワブキの黄色い花の色が目立つ時期。あちこちに咲いています。
本土で唯一のコショウ科のフウトウカズラの実は微かに胡椒の香りがします。雌雄異株で、これは雌株。穂状花序のひとつひとつの小さな花が大きくなってつぶつぶの実に。晩秋から冬にかけてつぶつぶが増え、赤色になります。
ヌルデの実がぎっしりと塊になっていますが、ここ九州では実も葉も地味な色のままの樹です。
愛宕山にも本格的な秋が訪れてきています。わずかではありますが、紅葉も見られるようになりました。春ほどには派手ではありませんが、秋の草花が楽しめます。暑さも遠のき、散策するのに絶好な季節です。ぜひ、お出かけしてみませんか。
台風21号の強風で、愛宕山の木々の小枝や葉っぱが吹き飛ばされ、何本かは大きな枝、幹も折れてしまいました。地面や道路は小枝や葉っぱで埋まったのですが、その中にはドングリがたくさん混ざっています。ドングリのうち、椎の実(スダジイ、ツブラジイ、マテバシイの実)はそのまま生で食べることが出来ます。実の小ささが難ですが、ほのかに甘く、煎ってから食べると甘みが増します。マテバシイはやや味が落ちますが、加工してお餅などにして食べると美味です。残念ながら、その他のドングリは水で晒すなどの処理をしっかりしないと食べることはできません。愛宕山に足を伸ばして、椎の実を拾って、味見しては如何でしょう。スダジイ、ツブラジイ、あるいはその交雑種は他のドングリと容易に区別できますので、だれでも拾えます。画像にあるように、「袴」の形が違います。また、熟れた実は黒光りしています。主な「シイの実拾い」のスポットは、愛宕神社の第二駐車場の脇、愛宕神社から観音密寺へ下る階段(桜坂)の途中の保存樹、かつて鷲尾城があった鷲尾山の山上広場などです。
愛宕山には栗の木があります。地元の方の話では、子供の頃に栗拾いに良く行ったとのことです。現在、栗の木が残っているのか調べてみました。森の中はブナ科の樹木が大きく高い樹となって茂っており、クリの木を見つけ出すのは極めて困難で、判然としません。しかし、殻斗(いわゆるイガ)が落ちている場所を、鷲尾山山上広場下の南西側の斜面で3カ所ほど確認できました。周りを調べても、どの樹がクリなのかは判りませんでしたが、それなりの量のクリの実を拾うことができました。クリの実は結構な大きさで、いわゆる「山栗」、「柴栗」と言われる自生の栗の木の実ではないようです。ただ、この場所は急斜面で、すぐ下は姪浜石の採石場跡の垂直な崖となっており、極めて危険な場所ですので、残念でしょうが近づかないことをお勧めします。
愛宕神社の第二駐車場の脇のスダジイの実です。スダジイは実が細長く、殻斗(袴)が実を包んでいるのが特徴です。他のドングリと比べ、小ぶりで黒光りしています。生で食べることができ、ほのかに甘く、美味です。煎って食べると甘みが増します。ただ、実が小さいのが、難です。
スダジイとツブラジイとは交雑種が多くて判別が困難です。愛宕神社から観音密寺へと下る階段の途中にある保存樹はツブラジイあるいは、それに近い交雑種と思われます。判断が難しかったのか、「シイ」としか書かれていません。この樹の実は丸っこく、ツブラジイの特徴を持っています(右の画像)。
左の画像の保存樹の実。丸っこい形はツブラジイの特徴。シイ属に特徴的な形の殻斗(かくと、いわゆる袴)が実を包み、熟すとそれが3つに裂けて実が現れます。実の殻を割って出てくるのが白い色の子葉。生で食べられますが、煎ってもより美味しい。ただ、あまりにも小さいのが難点。
桜坂の観音密寺脇より上の部分の階段には、強風で落下したコナラの実や椎の実など、多数のドングリが散乱していました。
かつて鷲尾城があった山の山上広場に生えているスダジイの実。
鷲尾山の山上広場に落ちているクヌギのドングリ。2cm程の大きさがあり、クリやトチノキの実と共に縄文時代の重要な食料源でした。渋みが強い実だが縄文人は上手に渋抜きをしていたのでしょう。殻斗(袴)は特徴的な形をしています。この殻斗や樹皮の煮汁は染料に。
鷲尾山の山上広場から下がった南西斜面の2カ所にクリのイガが落ちていました。でも、どの樹がクリなのか、判別できません。
拾った実は、いわゆる山栗より大きいものです。直ぐ下は石切場跡の切り立った崖で、危険な場所です。クリ拾いは止めておきましょう。