愛宕の森と緑を守る会
愛宕の森と緑を守る会
昆虫の写真館 ー 愛宕山で見られる昆虫(1)
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チョウ目
普通に見られるアゲハ。良く似たキアゲハとの違いは、ナミアゲハの前翅のつけ根部分は黒と黄色のスジ模様だが、キアゲハは黒くなっていること。
ナミアゲハより黄色が濃いが、目立った違いは、前翅のつけ根部分が黒いこと。ナミアゲハの前翅のつけ根部分は黒と黄色のスジ模様になっている。
ナミアゲハ1 ナミアゲハ2 キアゲハ1
キアゲハ2 アオスジアゲハ1 アオスジアゲハ2
雄の下腹部が麝香の匂い出すため、この名に。雄は翅が全体に黒い。
腹の赤色は警戒色。幼虫の食草がウマノスズクサという毒草のため、成虫も有毒になり、鳥などの捕食者から身を守る。
ジャコウアゲハの雌は雄と比べ、翅の色が薄い。
ジャコウアゲハ♂1 ジャコウアゲハ♂2 ジャコウアゲハ♀
ウマノスズクサに産み付けられたジャコウアゲハの卵。多くは葉の裏に産むが、画像のように、葉の表に産み付けるケースも結構ある。
多くの幼虫は葉の裏にいるので、見つけにくい。葉に囓り跡があるウマノスズクサを探すと、葉の裏側にいる幼虫を見つけることが出来る。
頭が大きくなって、目立つようになっている。
ジャコウアゲハの卵 ジャコウアゲハの幼虫 脱皮直後の幼虫
クロアゲハ カラスアゲハ1 カラスアゲハ2
何ともグロテスクな姿をしているジャコウアゲハの蛹。別名「お菊虫」。怪談「皿屋敷」のお菊がその由来。愛宕山の脇を流れる室見川沿いで見られた。付近の土手沿いには食草のウマノスズクサが多く生えている。
飛んでいる時に、黒地に大きな白色(ないし、ややクリーム色)の斑紋が目立っているのが特徴的なアゲハ。
雄と雌の違いは、翅の縁にある弦月状の赤斑が目立つのが雌。また、雌の方が腹が太く、雄の腹は先端が2つに割れている。
ジャコウアゲハの蛹 モンキアゲハ♂ モンキアゲハ♀
大型のアゲハで、オス(下)はクロアゲハに、メス(上)はモンキアゲハに似ている。南方系の蝶で、東南アジア~南西諸島だった分布域が北上拡大し、明治以前には九州、60年代には関西、現在は宮城県まで達している。温暖化の指標種と考えられている。南方系を連想させる名前だが由来はこれとは異なり、シーボルトが長崎で最初に採集したので付けたことによる。画像は動画から切り出したもので、不鮮明。
ナガサキアゲハ♂♀
ヒョウモンチョウの一種で、黄色(ないしオレンジ色)に黒の豹紋柄模様は他のヒョウモンチョウと同じだが、後翅の縁が黒いので区別できる。
ツマグロヒョウモンの雌は雄と違って、前翅表面の先端部が黒っぽい(白色、青地を含む)。有毒で鳥が食べないカバマダラの擬態と考えられている。
幼虫は黒地に赤と、毒々しい色をしている上にトゲが並んでいるが、無毒で、触っても問題ない。スミレや園芸品種のパンジー、ビオラが食草なので、街中に広がっている。
ツマグロヒョウモン♂ ツマグロヒョウモン♀ ツマグロヒョウモン幼虫
蛹は、黒の胴体の後(上)側には黒の突起が並び、前(下)側には金属光沢(銀色)の突起が並んでいる。
見ての通り、鼻先が伸びている。
日本全国に分布する。テングチョウの食草はエノキ。
ツマグロヒョウモン蛹 テングチョウ1 テングチョウ2
アカタテハ1 アカタテハ2 ヒメアカタテハ1
浅葱斑。翅の透明感がある部分の色が浅葱色(浅黄色)なので、この名に。食草はガガイモ科のキジョランなど、成虫はヒヨドリバナやフジバカマの蜜を吸う姿がよく見られています。渡りの蝶として有名。山形県から琉球列島、香港・中国大陸の範囲で飛翔が確認され、個体の最大飛翔距離として、2,400キロ超えが記録されている(翅に付けたマーカーで調査)。
ヒメアカタテハ2 ルリタテハ アサギマダラ
コミスジ1 コミスジ2 イシガケチョウ1
モンシロチョウよりやや小さく、前翅の先端が尖っている。雄の前翅の先端部がオレンジ色=端(つま)が黄(き)なので、この名に。
イシガケチョウ2 イシガケチョウ終齢幼虫 ツマキチョウ♀
モンシロチョウ1 モンシロチョウ2 スジグロチョウ
北黄蝶。シロチョウ科キチョウ属。従来、1種とされていたキチョウが南西諸島に分布するミナミキチョウとそれ以北に分布するキタキチョウとの2種に分けられた。秋田県・岩手県以南に分布する。翅は黄色で、翅の外縁が黒い。
前翅表先端が黒い夏型と、黒色がほとんど無い秋型がいる。成虫は年に数回発生し、越冬する個体もある。
紋黄蝶。シロチョウ科モンキチョウ属。日本からヨーロッパ南東部まで、広く分布する。年2回、5〜9月に飛び交う。食草はシロツメクサなどのマメ科。雄の翅は黄色だが、雌の翅は黄色〜白色。前翅表の縁は黒い。後翅に白ないし銀色の斑紋がある。「紋のある」キチョウが名の由来。
キタキチョウ(夏型) キタキチョウ(秋型) モンキチョウ
ゴマダラチョウ1 ゴマダラチョウ2 ゴマダラチョウの卵
ゴマダラチョウは幼虫時代の冬、食樹のエノキを下って、根元の枯葉の裏でひっそりと越冬する。春、エノキの若葉が出る頃にまた、幹を登って若葉を食す。
ゴマダラチョウ幼虫の越冬場所を確保するために、エノキの根元に柵をめぐらし、枯葉を敷いた。
ゴマダラチョウ幼虫 幼虫の越冬場所 クロヒカゲ
後翅に斑点が並んでいるのが雄。
裏の翅模様が波状なので、この名前が付けられた。後翅の縁にオレンジ色と黒色の斑が2つあり、その先に尾のような突起がある。
ベニシジミ1 ベニシジミ2 ウラナミシジミ1
翅の表の色は青紫色で、ヤマトシジミに似ているが、綿毛のような毛がはえている。この翅の色は雌の方が地味で黒っぽい。画像の個体は雄。
画像はヤマトシジミの雄。雌の表翅は黒っぽく、青色が少ない。
ウラナミシジミ2 ヤマトシジミ1 ヤマトシジミ2
見かけることの多い小型の蝶で、翅の表面が瑠璃色なので、この名に。雌には黒っぽい縁取りがある。翅の裏面は白色で、黒い斑点が並ぶ。常にせわしなく飛び、明るい青藍色が目立つが、とまった時には翅を閉じているので目立たない。
雄は翅の表面が瑠璃色(紫みを帯びた濃い青)。これが名の由来。
雌は翅の表面外縁部が黒褐色になっている。
ルリシジミ♂1 ルリシジミ♂2 ルリシジミ♀
ルリシジミとよく似ているが、その区別は、後翅裏面の下部にある斑紋が繋がっている点などで可能。温暖化の影響か、近年、個体数が増えてきている。
紫小灰蝶。シジミチョウ科で宮城県以南から台湾、中国西部に分布し、成虫で越冬する。表の翅の中心部が鮮やかな青紫色で周りは焦茶色。
幼虫の植樹はブナ科常緑樹で、場合によってはブナ科落葉樹を食す。蜜を分泌してアリを集め、防衛させる。成虫はシイやカシの周辺を飛び、集蜜行動は見かけられない。
ヤクシマルリシジミ ムラサキシジミ1 ムラサキシジミ2
裏翅の色が名前の由来で、雄雌とも銀色。画像は雄。 幼虫の食草はマメ科のクズ、フジなど。
雄の表翅は、こげ茶地にオレンジ色が入る。
裏翅の色が名前の由来で、雄雌とも銀色。画像は雌。
ウラギンシジミ♂1 ウラギンシジミ♂2 ウラギンシジミ♀1
雌の表翅は、こげ茶地に白色が入る。
翅の表面は淡青色。元々は東南アジア~南アジアに分布している種だが、今世紀に入って北上が確認され、現在は関東まで達している。ソテツを食草とするが、ミカン科やマメ科を食すことも知られている。幼虫はソテツの若葉を好み、その食害が著しいため駆除の対象とされている。
ウラギンシジミ♀2 クロマダラソテツシジミ
チャバネセセリ クロセセリ
実は分類学的にはチョウとガの区別はないようで、ここでは便宜的に分けて表示。名前は画像を見れば、納得。
シャクガ科エダシャク亜科。成虫は6〜9月に見られ、昼間に活動する。トンボエダシャクに酷似しているが、腹の黒模様が不規則な点が異なる。食草はツルウメモドキなどのニシキギ科の木。
シロオビノメイガ マルモンシロナミシャク ヒロオビトンボ
薄黄燕枝尺。シャクガ科エダシャク亜科。食樹はイヌガヤ科、ブナ科、マメ科など多様。 後翅の先端側が薄黄色なので、この名が付いている。極めて類似したシロツバメエダシャクとの違いは、翅の薄黄色があるかどうかだが、鱗粉が薄くなると白く見えるので、区別できない。大きな違いは眼と眼の間の色。ウスキツバメエダシャクは濃い茶色だが、シロツバメエダシャクは白色ないし薄い褐色。
茶毒蛾。日本の代表的な毒蛾で、幼虫も含め、微細な毒針毛を持ち、触れたり飛散する毒針毛が付着するだけで皮膚炎をおこし、長期にわたり強い痒みや皮膚のただれが続く。複数回被害に遭うとアレルギー反応をおこす。ツバキ科を食樹とし、若齢幼虫は集団が塊となって葉の裏を食い尽くす。
ウスキツバメエダシャク ホタルガ チャドクガ
イボタガ オオモモブトスカシバ