愛宕の森と緑を守る会
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鍾道神社(大山祇神社)
愛宕神社に向かう愛宕山観光道路のヘアピンカーブの内側に鍾道神社および大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)の祠がありました。「ありました」ということは、現在はすでに消滅しているからで、展望台新設工事が行われた際に壊されてしまったようです。祠の裏側(西側)に姪浜炭鉱の創業者である葉室豊吉の顕彰碑がありましたが、その碑は整備されて現存しています。福岡市の資料では、ここは特別緑地保全地区内であり、私有地であっても樹木の伐採や構造物の改変には市長の許可が必要ですが市の担当者は許可の処理を行っておらず、いきさつの不可解さが残ります。(←後日の市への調査依頼の結果、この場所を指定範囲内と表示したのは市のミスだったとの回答であったが、地籍一覧の表以外の市作成の書類では下に表示した境界図面の画像を含め、全てこの場所を保全地区に含めており、何らかの「事情」があったのではとの疑問が残る。)
大山祇神社は姪浜炭鉱の安全の守り神として造られたものですが、全国に11,000ほどある大山祇神社の総本社は伊予の国(愛媛県)一之宮大山祇神社で、大山積大神(木花咲耶姫の父神)を祀ってあります。オオヤマヅミは山の神であるため、鉱山関係で祀られている所が多くあります。
なお、鍾道神社の出処は不詳。
(画像をクリックすると拡大表示され、説明文全文が見れます)
愛宕山観光道路の最後のヘアピンカーブの内側にあった。
ヘアピンカーブの内側を含む範囲が緑地指定地域。神社はその中に含まれて表示されている。
いつ撮られた写真かは不明(1930年前後)。当時は周りに樹がいっさい無く、はげ山だったと思われる。
この頃にはまだ立派な祠が残っていた。石段を数段上がると、コンクリート製の太鼓橋があり、さらに数段の石段を上がった先に祠があった。
神社本体はすでに撤去済み。
神社の形跡はいっさい失われている。周りの樹は伐採されている。
サワライズ100周年事業の一環で展望台が建設された。
このような名称になって、わずかにその名前だけを留めている(祗は正しくは祇)。申し訳ないという気持ちがあったからだろうか。それにしても、前からあった鍾道神社はどこに消えたのか?
特別緑地保全地区内ではあるが、あくまで私有地。木々の伐採、工作物の新設など、本来は市長の許可が必要なはずだが・・・・。市の管理責任はどこに?
葉室豊吉は早良炭鉱(姪浜炭鉱)の創業者。展望台設置にあわせて整備されている。
樹木が伐採されたのは、「下から展望台が見えないから樹を切ってくれ」との依頼がサワライズ社にあったためとのこと。
大山祇神社跡公園を造る前、この場所は愛宕山で絶滅が危惧されているフデリンドウの群生地でした。今は整地された場所の周囲も環境の激変で外来植物に覆われ、フデリンドウは絶滅してしまいました。