愛宕の森と緑を守る会
愛宕山特別緑地保全地区
特別緑地保全地区制度は国交省の「公園とみどり」のページにもあるように、福岡においては都市緑地法にもとづいて「・・・都市における緑地の保全及び緑化の推進に関し・・・良好な都市環境の形成を図り、もつて健康で文化的な都市生活の確保に寄与することを目的とする」制度で、以下の行為は制限され、実施するには市長の許可を得なければなりません。
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建築物その他工作物の新築、改築又は増築
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宅地の造成、土地の開墾、土石の採取、鉱物の採掘その他の土地の形質の変更
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木竹の伐採
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(以下略) (都市緑地法第十四条)
愛宕山は福岡市が指定する71箇所の特別緑地保全地区のうちの一つで、1976年(昭和51年)3月11日に4.5ヘクタールの広さで指定されています。その後、4回ほど変更手続きが加えられ、今日に至っています。特別緑地保全地区の指定範囲は福岡市によって設置された表示板に示されているのですが・・・。
緑地指定以後、長い間ずっと掲示されていた愛宕山特別緑地保全地区表示板。北西端(左側)のヘアピンカーブの部分が地区内に含まれている点に注目。
守る会が問題点を指摘した後に指定範囲を縮小した愛宕山特別緑地保全地区表示板に差し替えられている。北西端(左側)のヘアピンカーブの部分が削除された。
愛宕山観光道路の北西端(表示板中の左側)にあるヘアピンカーブの部分は、左上の表示板で示されているように、特別緑地保全地区に含まれています。このことは福岡市が作成した指定図(下の図)でも場所を特定して範囲を示しており、明瞭に確認することができます。しかし、「愛宕山の危機」のページに記載してあるように、この箇所で何らの許可手続きもなされることなく展望台設置工事が行われ、結果として、愛宕山で絶滅が危惧されている貴重なフデリンドウの群生地が一気に消滅してしまいました。
この件について福岡市の担当者に問い合わせたところ、いきさつは省略しますが、結論としては「表示されていた図は間違いで、工事は保全地区の外なので問題はない。なぜ間違った図となっていたかの原因は不明」との回答でした(「愛宕山の危機(2)」)。この箇所は本来、緑地として保全するのにふさわしい緑が存在していた場所で、実の所、福岡市も同じ考えで、緑地指定をしたつもりであったのが真相だと思われます。緑地保全地区は固定資産税・相続税等の減免措置(財産評価基本通達 50-2,58-5,123-2)などがあるため、指定範囲の地籍を確定する必要があります。その際に、地籍図を読み誤って(もしくは何らかの事情で削除し)、その結果として本来指定されることになっていた地域が緑地指定から外れてしまい、なおかつ、問題を指摘されるまでそのことを認識してこなかったと解釈するのが自然な理解と思われます。今さら追加指定をする訳にもいかず、保全地区の範囲を縮小するという「改訂」を行ったのが、右上の表示板の図です。