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愛宕の森と緑を守る会
愛宕の森と緑を守る会
愛宕山の植物 - 春〜初夏の散策
ウマノスズクサ
馬鈴草。ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属の多年生ツル草。学名 Aristolochia debilis。関東以西、四国、九州に分布。主に河川敷などに広がっているが、生育環境が狭められるとともに減少し、現在は準絶滅危惧種に指定されている。河川敷は定期的に草刈りが行われ、ウマノスズクサを含む全ての草が刈り取られてしまうが、ウマノスズクサは他の草よりいち早く成長して日当たりを確保し、再度茂ることができる。愛宕山の麓の室見川の河川敷には群生地があり、保護運動の対象になっている。守る会は保全およびジャコウアゲハの食草の確保を目的に愛宕山に移植し、増殖に成功した。
ウマノスズクサの花
葉腋からサキソフォンのような形状の花を一つづつ付ける。花弁は無く、この形は萼片。強い悪臭を放ち、有毒で腎毒性や発がん性などがある。この為、かつては生薬として用いられていたが現在は使用されていない。花筒の内壁には入り口とは逆方向の向きに毛が生えていて、悪臭に誘われて進入したハエは奥の丸まった部屋に閉じ込められてしまう。その後、ハエによって受粉が完了すると毛が萎縮してハエは脱出できる。
ジャコウアゲハの幼虫
ウマノスズクサはジャコウアゲハの食草。ジャコウアゲハはウマノスズクサの毒性を体内に取り込み、鳥類などからの捕食を逃れている。ウマノスズクサが移植後に定着すると早速ジャコウアゲハが産卵に訪れ、少なくない幼虫が発生。このままでは愛宕山のウマノスズクサが食い尽くされてしまうので、幼虫の一部を室見川河川敷へ里帰りさせることに。
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