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愛宕の森と緑を守る会
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愛宕山の植物 - 春〜初夏の散策
クサノオウ
草の黄、あるいは草の王、蒼の王。ケシ科クサノオウ属の越年草。学名 Chelidonium majus var. asiaticum。ユーラシア大陸に広く分布する種で、東アジアに分布するものはヨーロッパ産の変種とされている。高さ30〜80センチ。全国の日当たりの良い比較的肥沃な道端、林縁、草地などに生える。傷をつけると黄色い乳液が出るが、これは有毒(アルカロイド系)で、皮膚に付くと炎症をおこすので要注意。皮膚の弱い人は草に触れるだけでもかぶれる。また、薬草としても用いられ、茎・葉を乾燥させたものを白屈菜といって水虫などの皮膚疾患、外傷の手当に用いる。煎じて服用し、鎮痛剤や下剤、アヘンの代用品としても使われた。しかし毒性が強く、現在は用いられていない。
クサノオウの花
花期は4~7月。直径約2センチほどの鮮やかな黄色の4枚の花弁はよく目立つ。愛宕山にはクサノオウは男坂と女坂の合流点近くの1か所でしか見つかっていない。
クサノオウの蒴果
長さ3〜4センチの細長い蒴果(種を包む鞘)の中にできる種子にはエライオソーム(種枕)という付着物を伴い、それがアリの好物で巣に運ぶため、種子が拡散される。
クサノオウのロゼット葉
種子は秋に発芽し、根元から放射状に葉を出すロゼットを形成して越冬し、翌春になって40~80cmの草丈に成長する。
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